工場の空調を改善する方法は?空調機の種類や設置する際の注意点を解説

「広い空間の空調効率を改善する方法が知りたい」
「工場や倉庫に最適な空調設備を選びたい」
冷暖房が効かないと感じている担当者の方は、このように考えているのではないでしょうか。

本記事では工場の空調を効率化する方法や、空調設備を設置する際の注意点について解説しています。この記事を読むことで、空調設備を導入する際にどのようなものを選べばよいかがわかります。

工場では暑さ対策が必須

工場では暑さ対策が必須

空気がこもる工場や倉庫では従業員の熱中症が懸念されるため、暑さ対策が必須です。熱中症は屋外で作業している従業員だけが発症するものではなく、室内で作業している場合もなりうる可能性があるからです。室内では熱気がこもりやすいため、適切な温度管理を行わなければ40度を超えることもあります。従業員が快適に作業できる環境を整えるためにも、適切な室温に調整する必要があります。

室内で熱中症対策を行う場合は室温を調整するほか、こまめに水分・塩分が補給できるように休憩時間を設けるとよいでしょう。特にスポーツドリンクは、発汗によって体から失われた水分やミネラルを効率よく補給できます。また熱中症に関する知識を社内で共有しておくことにより、従業員の熱中症が防げるようになります。

空調機が工場の温度を調整する仕組みとは

空調機が工場の温度を調整する仕組みとは

空調機の種類を紹介する前に、空調機が工場内の温度を調整する仕組みについて解説します。空調機は室内機と室外機の2つで構成されており、それぞれがパイプでつながっています。室内の熱気は、室内機にある熱交換器を通り、パイプの中にある「冷媒」により運ばれていくのです。

冷媒とは、液体が気体になる際に周りから吸収する熱(気化熱)を運ぶ物質のことで、室内の熱気を奪ったり与えたりしています。取り入れた熱気を冷やすと冷房として涼しい風が放出され、取り入れた冷気が熱されると暖房として暖かい空気が放出されます。空調機は室内の空気を循環させることにより、部屋の冷暖房を行っているのです。


工場に設置する空調機の種類とは

工場に設置する空調機の種類とは

工場に設置される空調機には、以下のようなものがあります。
● 天井埋込カセット型
● ダクト型
● 天井吊型
● 床置型



天井埋込カセット型

本体が天井に埋め込まれているものです。天井と一体化していることから見た目がすっきりしている特徴があります。ただしメンテナンスに手間がかかるため、粉じんやほこりが多く発生する環境には向いていません。

ダクト型

室内機が天井に埋め込まれており、ダクトのみが露出しているものです。ダクト型では、吹き出し口を自由に設置できるほか、1つの本体で複数の吹き出し口を設置することもできます。こちらもメンテナンスに手間がかかるため、粉じんやほこりが多く発生する環境には向いていません。


天井吊型

天井埋め込みカセット型を設置できない場合や天井が高すぎる場合は、天井吊型の空調機を設置するとよいでしょう。天井吊型とはその名のとおり、天井に空調機を吊るして設置するものです。設置の手間がかからないほか、掃除やメンテナンスが簡単に行える特徴があります。


床置型

天井が高い工場や倉庫では、床置型のものを設置するとよいでしょう。天井が高いと暖気が上部に溜まってしまうため、足下が暖まりにくいからです。2mほど高さのある空調機を床に置くため設置場所の確保が必要ですが、工事費用がおさえられるほか、掃除やメンテナンスが簡単に行えます。


工場に空調機を設置する際の注意点

工場に空調機を設置する際の注意点

工場に空調機を設置する際は、以下のような点に注意が必要です。
● 電気設備の配置変更が必要な場合がある
● 定期的なメンテナンスが必要になる

空調機を設置する際は、電気設備の配置を確認しておく必要があります。業務用空調機は大量の電気を消費するため、建物に動力電源が引き込まれていない場合などは別途電気工事が必要になるからです。ブレーカーの新設やキュービクル(高圧受電設備)からの配線などの作業が必要になる場合があるため、事前に現地調査を依頼して確認しておくとよいでしょう。

また空調機を設置したあとは、定期的なメンテナンスが必要になる点にも注意しましょう。空調機の多くは定期的なメンテナンスを前提にしているため、メンテナンスを行わずに放置していると、耐用年数に達する前に空調が機能しなくなってしまう可能性があるのです。長期間使用していると、本体やダクトに汚れやほこり、粉じんなどが溜まっていくため、2年に1度を目安にクリーニングなどのメンテナンスを依頼しましょう。


工場の空調を効率化する方法

工場の空調を効率化する方法

ここからは工場の空調を効率化する方法を紹介します。導入する設備によって特徴が異なるため、室内の広さや環境に合ったものを選ぶとよいでしょう。

スポットクーラー

スポットクーラーは、エアコンの室内機と室外機が一体となっているものです。簡単に移動できることから立ち仕事が多い場所に最適です。室内全体を冷やすエアコンと比較して電気代が節約できるほか、エアコンより安めに購入できる特徴があります。また、エアコンが設置できない場所でも工事不要で簡単に設置できます。


大型扇風機

工場や倉庫などの広い空間を涼しくしたい場合は、大型扇風機を導入するとよいでしょう。強力な風が起こせるため、エアコンやスポットクーラーの冷気を効率的に拡散できるからです。また空気の入れ替えにも適しているため、換気が必要な空間でも活躍します。他の設備よりも安めに購入できるほか、ランニングコストもおさえられます。


遮熱塗料や遮熱シート

工場の屋根に遮熱塗料や遮熱シートを施工することにより、室温が上昇する原因である太陽光の輻射熱(ふくしゃねつ)が反射できます。輻射熱とは、電磁波のように伝わる熱のことです。

太陽光や電気ストーブなどから発される熱は、屋根や外壁を通り抜けて室内の人に伝わる性質があるため、従業員の体温も上昇してしまうのです。施工を検討している場合は、商品によって価格や性能が異なるため、しっかりと効果が検証されているものを選ぶとよいでしょう。


屋根用スプリンクラー

屋根用スプリンクラーには、気化熱を利用して室内の温度を下げる効果があります。屋根にスプリンクラーを設置して水をまくことで、水が蒸発する際に屋根の熱を奪うため、屋根の温度が上昇しにくい仕組みが構築できるのです。

ただし金属製の折板屋根などでは、錆が発生して劣化を早めてしまう可能性があります。屋根用スプリンクラーを設置する際は事前に現地調査などを依頼して、使用しても問題ない材質かを確認しておくとよいでしょう。


クールルーフファン

クールルーフファンとは、工場の屋根に施工する給気装置のことです。水の気化熱を利用する冷却エレメントを内蔵しており、外の熱気を冷たい涼風として室内に給気します。

クールルーフファンでは、水を補給するポンプと室内に冷気を放出するファンでのみ電気を消費するため、一般的な業務用エアコンと比較してランニングコストがおさえられます。また冷気は屋上から吹き下ろせるため、エアコンの設置が難しい工場でも暑さ対策が可能です。


大型シーリングファン

大型シーリングファンは天井に大きな羽根を設置して、気流を発生させるものです。工場や倉庫といった広い空間での使用に向いており、室内のどこにいても風が感じられます。

夏は空調機から放出される冷風を循環させ、冬は天井に溜まった暖気を循環させる効果があります。広い空間の室温を保つことは難しいため、大型シーリングファンを導入して空気効率を高めるとよいでしょう。


空調設備の効率化なら綿半ソリューションズにおまかせください

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空調設備の効率化なら、綿半ソリューションズにおまかせください。当社では、工場や倉庫の大空間を効率よく換気するために、お客さまのお悩みに合った方法を提案いたします。

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