工場内で換気が重要な理由とは?換気回数の目安や3つの換気方法を解説

「広い空間を効率的に換気する方法が知りたい」
「工場内の適切な換気回数を知りたい」
工場や倉庫の担当者は、このように考えているのではないでしょうか。

工場のような広い空間では、従業員が安全・快適に作業できるよう計画的な換気が必要です。本記事では、工場内の換気の重要性や必要な換気量、効率的な換気方法について解説しています。この記事を読むことで、工場内の感染症対策や暑さ対策の方法がわかります。

工場内での換気が重要な理由とは

工場内での換気が重要な理由とは

工場内での換気が重要な理由は、従業員の健康に関わる可能性があるからです。換気が不十分な工場では、従業員が快適に作業できないだけでなく、さまざまな健康被害を引き起こす恐れがあります。

ここからは、工場内の換気が重要である3つの理由を解説します。
● 有害物質から従業員を守るため
● 感染症の予防対策を行うため
● 工場内の暑さ対策を行うため

換気が従業員の健康に与える影響について、しっかり確認しておきましょう。

有害物質から従業員を守るため

工場内では、製造の過程で人体に有害な化学物質が発生する場合があります。そのため、従業員の健康被害が発生しないよう、適切な換気を行わなければなりません。特に、工場内で有機溶剤や特定化学物質(特化物)を扱う場合は、それぞれの予防規則に準じた換気が必要です。

また、換気が不十分な工場内では湿気やホコリが滞留し、カビが発生する恐れがあります。毒性の高いカビが浮遊する場所で作業を行えば、アレルギーや中毒症状を引き起こしかねません。カビによる健康被害を予防するためにも、工場内の計画的な換気が重要であるといえます。


感染症の予防対策を行うため

新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、換気の重要性を知った方も多いのではないでしょうか。工場のような広い空間では空気全体を入れ替えることが難しく、多くの従業員が働く現場では感染拡大リスクが高くなります。

工場内の空気環境を良好に保つためには、換気設備を運転させるなどの方法による適切な維持管理が必要です。従業員間の感染を避けるためにも工場内の空気環境を把握し、適切な換気を意識するようにしましょう。


工場内の暑さ対策を行うため

工場は広い土地に建てられる場合が多く、太陽光を遮るものがないため、建物全体が高温になりやすい特徴があります。また機械から発せられる熱がこもる環境では、作業エリアまで高温に。そのような環境では従業員の作業効率が低下してしまうほか、従業員の熱中症も懸念されます。
作業エリアの暑さ対策を行うためにも、適切な換気を行うことで工場内にこもった熱気を排出する必要があります。従業員にとって快適な労働環境を整備するためにも、適切な換気を行いましょう。


工場で必要な換気回数の目安は10〜30回程度

工場で必要な換気回数の目安は10〜30回程度

建築基準法では、工場内で必要な換気回数を定めています。必要な換気回数は、工場内の業種や従業員数によって異なりますが、目安として「1時間あたり10〜30回程度」とされています。工場で必要な換気回数を求める場合は、建築基準法の「必要換気量」から算出可能です。

必要換気量の求め方は以下のとおりです。
V(必要換気量m3/h)=20(一人当たりの必要換気量)× Af(床面積m2) ÷ N(1人あたりの占有面積m2)

なお、建築基準法では「一人当たりの必要換気量」を「20(m3/h)」としていますが、新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため厚生労働省が推奨する換気量は「30(m3/h)」となっています。

工場内では大規模な機械換気が必要

工場内では大規模な機械換気が必要

工場内は空間が非常に広いため、窓や扉から自然の風を取り入れて空気を入れ替える「自然換気」では一部の空気しか入れ替わらず、換気が不十分となる可能性があります。工場内を十分に換気するためには、換気扇や送風機などを利用して強制的に空気を入れ替える「機械換気」が必要です。

主な機械換気方法は、以下の3つに分類されます。工場の業種や環境に応じた換気方法を採用するための参考にしてください。

換気の種類 換気方法の概要
第1種換気 給気・排気とも機械のファンを用いて空気を入れ換える。
機械による制御が可能なため、計画的に空気の入れ替えが行える。
ただし設置することで多額のコストがかかる場合が多い。
第2種換気 給気のみ機械換気によって行う。
強制的に空気を取り込んで室内の気圧を高めることにより、外からの汚染された空気が入りにくい特徴がある。
クリーンルームや無菌室に採用されることが多い。
工場では、室外からのホコリや虫の侵入を防ぐ効果も期待できる。
第3種換気 排気のみ機械換気によって行う。
住居のキッチンやトイレなどで多く採用されているが、給気を自然に行うことから、
工場などの広い空間では換気が不十分になる可能性が高い。

工場を換気する方法は主に3つ

工場を換気する方法は主に3つ

工場を換気する主な方法は以下のとおりです。
●熱気の拡散を防ぐ局所換気
●吹出し口と吸込み口の2つを使用するプッシュプル換気
●広範囲の換気に有効な全体換気

換気の目的や設置場所の状況に応じて、効率的な換気方法を採用するといいでしょう。


熱気の拡散を防ぐ局所換気

局所換気とは室外に逃がしたい湿気やニオイ、熱気など、発生源の近くに排気口を設置して外に排出する換気方法です。身近な例として、キッチンのレンジフードや浴室換気が局所換気にあたります。
工場を換気する方法は主に3つ

※厚生労働省「換気」より引用

局所換気は工場内の暑さ対策としても有効です。機械や設備から発生する熱気を室外へ逃がして、工場内の室温上昇をおさえられるからです。適切な局所換気を行うためには、熱源となっている場所の形や規模などの条件に合わせた設備を検討する必要があります。

吹出し口と吸込み口の2つを使用するプッシュプル換気

室外へ逃がしたい湿気やニオイ、熱気など、発生源の近くに局所換気装置を設置できない場合は「プッシュプル換気」を検討しましょう。プッシュプル換気は、吹出し側フードと吸込み側フードを向かい合わせに設置して気流を生み、湿気やニオイ、熱気などを室外へ運び出す換気方法です。緩やかな気流により常に外から新鮮な空気が取り込めるため、工場内の暑さ対策にも効果を発揮します。
工場を換気する方法は主に3つ

※厚生労働省「換気」より引用


ただし、プッシュプル換気で計画的な換気を実現するためには、「吹出し側の気流」と「吸込み側の気流」のバランスが重要です。導入時の設計や稼働後の維持管理には、経験や実績が豊富な専門業者への依頼をおすすめします。

広範囲の換気に有効な全体換気

全体換気は外から新鮮な空気を取り込んで、室内の空気を薄めながら室外へ排出する換気方法です。希釈換気とも呼ばれています。窓や扉を開け自然対流によって全体換気を行う方法もありますが、工場のような広い空間で十分な換気量を確保するためには、ファンによる強制換気が必要となるでしょう。場所を限定した排気や換気が求められる場合は、全体換気ではなく局所排気装置やプッシュプル型換気装置の導入検討をおすすめします。

全体換気は、工場の感染症対策や暑さ対策にも有効な方法です。ルーフファンを設置することで、天井付近にたまった熱気が効率よく排気できます。また、クールルーフファンのような新技術を併用すれば、暑い外気をひんやりとした涼風に変えながら給気することも可能です。


綿半ソリューションズの換気システムとは

綿半ソリューションズの換気システムとは

綿半ソリューションズでは、気化放熱式涼風装置「クールルーフファン」や、静音性に優れ工場内全体に気流を拡散させる「大型シーリングファン」など、快適な作業空間を実現する換気システムを取り扱っています。そのほかにも工場や倉庫を効率よく換気するための方法をご提案しますので、まずはお気軽にご相談ください。


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工場内の換気を適切に行うためには、建築基準法で定められた必要換気量や換気回数を守り、作業現場の状況や従業員の配置に応じた換気方法を採用することが重要です。

工場の気流改善は、従業員の健康維持や労働環境向上につながるため、積極的に取り組むべき課題といえるでしょう。気流改善の一環として換気設備の導入を検討している場合は、現状の問題点の把握や最適な換気設備の設計、施行管理までを一貫して行える専門業者への依頼をおすすめします。

綿半ソリューションズでは、工場の気流改善や換気設備に関するお悩みを解決するため、無料で現地調査を行っています。お客様のニーズに応じた最適な提案をいたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。


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